停電したときに、まず必要になるのが「明かり」です。懐中電灯を用意している家庭は多いと思いますが、それだけで夜を過ごすのは意外と大変です。
キャンプで使うLEDランタンは、テーブルやテントの中を広く照らせるように作られています。そのため、停電時の明かりとしても使いやすい道具です。この記事では、自治体の防災資料をもとに、LEDランタンが停電対策に役立つ理由と選び方を解説します。そのうえで、キャンプでも防災でも使いやすい3モデルを紹介します。
※価格は販売店や時期によって変わるため、購入前に確認してください。
LEDランタンが停電対策に役立つ理由
懐中電灯だけでは部屋全体を照らしにくい
横浜市泉区の防災学習資料「アウトドア防災プログラム」では、懐中電灯は部屋全体を明るくするのが難しく、食事など日常生活に必要な明かりには向かないと説明されています。そして、停電時の対策として LED ランタンを備蓄しておくことが有効だとしています。
懐中電灯は「手元や足元を照らす」、ランタンは「周りを広く照らす」と役割を分けて考えると、備えるべきものが分かりやすくなります。
ろうそくより火災の心配が少ない
停電時にろうそくを使う場合について、柏市消防局は次のような注意点を挙げています。
- 火をつけたまま、その場を離れない
- 地震などで倒れないよう安定させ、近くに燃えやすいものを置かない
- 子どもの手の届くところに置かない
- 閉め切った場所で、一度に多くのろうそくを使用しない
余震が続くような状況では、火を使わずに済む LED ランタンのほうが扱いやすいといえます。同じ理由で、ガスやガソリンを燃料とするランタンも、屋内では使わないでください。燃焼式の器具は一酸化炭素中毒や火災の危険があります。必ずメーカーの注意事項に従って使いましょう。
停電に備えるLEDランタンの選び方
電源方式:乾電池式か充電式か
LEDランタンの電源は、大きく分けて「乾電池式」と「内蔵バッテリーの充電式」があります。
- 乾電池式:電池を交換すればすぐに使えます。予備の電池を備蓄しておく必要があり、ランタンに合ったサイズ(単1形・単3形など)をそろえておくことが大切です。
- 充電式:USBで充電でき、電池を買い足す必要がありません。ただし、停電が長引くと充電できないため、モバイルバッテリーやポータブル電源、ソーラーパネルと組み合わせると安心です。
どちらにも長所と短所があるため、方式の違うランタンを組み合わせて備えるのもひとつの方法です。
明るさ(ルーメン)と点灯時間はセットで見る
明るさは「ルーメン(lm)」で表されます。ここで注意したいのが、カタログに書かれた最大の明るさで使うと、点灯時間は短くなるという点です。停電時は「一晩中つけておけるか」が大事なので、明るさを調整できるモデルを選び、弱めの明るさでの点灯時間も確認しておきましょう。
置き方・吊るし方と防水性
テーブルに置く、天井やテントのフックに吊るす、といった使い方ができるかも確認しましょう。屋外の避難や雨の日のキャンプも考えるなら、防水性能(IPX表記)があると安心です。
キャンプでも防災でも使えるLEDランタン3選
コールマン クアッドマルチパネルランタン
- 明るさ:最大約800ルーメン
- 電源:単1形アルカリ乾電池
- 特徴:4枚のパネルを取り外して、それぞれ単独のライトとして使える
- その他:パネルにマグネットを内蔵。USBポートからスマートフォンを充電できる
最大の特徴は、本体に付いた4枚のパネルを取り外し、それぞれを持ち運べるライトとして使えることです。停電時には、本体をリビングに置いたまま、パネルをトイレや寝室に持っていく、といった使い分けができます。マグネットで金属面に貼り付けられ、USBポートからスマートフォンの充電にも使えるとされています。家族で使う「メインのランタン」として備えておきやすいモデルです。
ジェントス LEDランタン エクスプローラー EX-1300D
- 明るさ:最大1,300ルーメン、ダイヤルで無段階調光
- 光の色:白色・昼白色・暖色の3色を切り替え。キャンドルモードあり
- 電源:単1形乾電池4本(別売)
1,300ルーメンと明るく、ダイヤルで明るさを細かく調整できるのが特徴です。光の色を3色から選べるので、作業するときは白色、くつろぐときは暖色と使い分けられます。紹介記事によると、最大光量での連続点灯は約7時間とされていますが、明るさを落とせば大幅に長く使えます。停電時は明るさを抑えて使うのがおすすめです。
Goal Zero Lighthouse Micro Flash
- 明るさ:ランタンモード最大150ルーメン、懐中電灯モード120ルーメン
- 電源:内蔵リチウムイオン電池(USB充電)
- 重量:約68g
- 防水:IPX6
- 点灯時間:最小光量で最長約170時間とされる
手のひらに収まる小さなランタンで、懐中電灯としても使える2WAYタイプです。約68gと軽いので、非常用持ち出し袋に入れても負担になりません。また、USBで充電でき、乾電池の備蓄がいらないのも利点です。最小光量なら最長約170時間使えるとされ、モバイルバッテリーと組み合わせれば停電が長引いても使い続けられます。ソロキャンプのテント内の明かりとしても人気があります。
普段のキャンプでの使い方と備え方
キャンプで使って「使い慣れておく」
防災グッズは、しまい込んだままだと、いざというときに使い方が分からなかったり、電池が切れていたりします。LEDランタンは普段のキャンプで使い、操作や明るさの調整に慣れておきましょう。それがいちばんの備えになります。
電池の点検と備蓄
柏市消防局は、日頃の備えとして、事前に懐中電灯の電池を確認しておくよう呼びかけています。乾電池式のランタンも同じです。キャンプのあとに電池の残量を確認し、予備の電池をまとめて保管しておきましょう。キャンプで使った分を買い足していけば、普段使いしながら備蓄を保つ「ローリングストック」の考え方で管理できます。
長期間使わない場合は、液漏れを防ぐために電池を本体から外して保管するよう、取扱説明書で案内されていることがあります。手持ちのランタンの説明書を確認しておきましょう。
置き場所を決めておく
停電は夜に起きることもあります。長崎県警察の防災資料でも、停電時に使う懐中電灯などは手の届くところに備えるよう勧められています。ランタンは家族全員が分かる場所に置き、寝室には懐中電灯かヘッドライトを置いておくと安心です。
まとめ
停電時の明かりは、懐中電灯で手元を、LEDランタンで周りを照らす組み合わせが基本です。ランタンを選ぶときは、電源方式・明るさと点灯時間・置き方と防水性を確認しましょう。
- 家族で使えて、パネルを分けて持ち運べるなら コールマン クアッドマルチパネルランタン
- 明るさと調光・調色の自由度を重視するなら ジェントス EX-1300D
- 軽さと充電式の手軽さを重視するなら Goal Zero Lighthouse Micro Flash
普段のキャンプで使い慣れておくことが、そのまま停電への備えになります。
参考資料
- 横浜市泉区「アウトドア防災プログラム 4(ランタンづくり)」 https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/bosai_bohan/saigai/gakushu-contents.files/lanthanum.pdf
- 柏市消防局「停電時の消防局からのお願い」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/kikakusomu/fdk/anshinjoho/konnatokiha/216.html
- 長崎県警察「災害に対する備え」 https://www.police.pref.nagasaki.jp/police/wp-content/uploads/2024/05/f7d4c746829ded03164eb90d02032ef4.pdf
- 価格.comマガジン(コールマン クアッドマルチパネルランタン) https://kakakumag.com/houseware/?id=16886
- hinata(ジェントス EX-1300D) https://hinata.me/article/1322027560661631993
- BE-PAL「Goal Zero Lighthouse micro 特集」 https://www.bepal.net/archives/435438
- Snowys「Goal Zero Lighthouse Micro Flash USB Lantern」(仕様) https://snowys.com.au/lighthouse-micro-flash-usb-lantern